SDXCメモリーカード 【SD eXtended Capacity】

概要

SDXCメモリーカード(SD eXtended Capacity)とは、2009年に策定されたSDメモリーカードの拡張仕様の一つで、最大2TB(テラバイト)までの容量に対応したもの。「SDカード」の名称がすでに浸透していたため、仕様を区別する文脈以外ではSDXCカードのことも単にSDカードと呼ぶことが多い。

初期のSDカード、拡張仕様のSDHCカードのさらに上位互換となる規格で、SDXCカードは古い機器ではそれぞれの機器に対応した仕様で動作し、SDXC対応機器で古い仕様のカードを読み書きすることもできる。SDHCではファイルシステムにFAT32を用い32GB(ギガバイト)までの容量の上限があったが、SDXCではexFATに対応し、最大2TBまでのカードを使用することができる。

SDXC自体の仕様ではないが、同時期にUHS(Ultra-High Speed)と呼ばれる高速な接続・通信仕様が策定され、多くのSDXCカードが対応している(一部のSDHCにも採用されている)。UHS対応製品で保証される伝送速度を表示する「UHSスピードクラス」(UHS Speed Class)が定められており、「Class 1」では最低でも10MB/sでの通信を、「Class 3」では30MB/sでの通信を保証する。

SDXCは2010年の最初の製品発売後、SDHCを置き換える形で急速に普及が進んだ。2018年には容量上限を128TBに引き上げた後継規格のSDUCメモリーカード(SD Ultra-Capacity)が策定されている。

microSDXCメモリーカード (マイクロSDXCメモリーカード)

SDXCメモリーカードの派生仕様の一つで、最も小さなサイズのカード形状を定めたものをmicroSDXCカードという。フルサイズのSDXC同様、実際にはmicroSDXCでも単にmicroSDと呼ばれることが多い。

形状はmicroSD/microSDHCカードと同じ幅11mm×長さ15mm×厚さ1mmで、端子形状なども同一であり古いカードに対して後方互換性がある。その他の仕様はSDXCメモリーカードに準じ、形状を適合させ端子を通電させるだけの簡単なアダプタによってSDXCカードとして用いることができる。

(2018.9.3更新)

フラッシュメモリの用語一覧

SDカードの種類

世代 \ 形状フルサイズminiSDmicroSD最大容量ファイル
システム
発表
SDSDminiSDmicroSD2GBFAT161999年
SDHCSDHCminiSDHCmicroSDHC32GBFAT322006年
SDXCSDXC-microSDXC2TBexFAT2009年
SDUCSDUC-microSDUC128TBexFAT2018年
幅×長さ
厚さ
(mm)
24×32
2.1
SDカード
20×21.5
1.4
miniSDカード
11×15
1.0
microSDカード
面積 (mm2)768430165
体積 (mm3)1613602165
重さ約2g約1g約0.5g
端子9ピン11ピン8ピン
(画像は © Digipot.net による)

SDカードの転送速度・性能表記

クラスと保証速度
SDスピードクラス
Class 22MB/s
Class 44MB/s
Class 66MB/s
Class 1010MB/s
UHSスピードクラス
Class 110MB/s
Class 330MB/s
「x倍速」表記
表記転送速度
(1倍速)150KB/s
60倍速9MB/s
80倍速12MB/s
120倍速18MB/s
133倍速20MB/s
150倍速22.5MB/s
200倍速30MB/s
400倍速60MB/s
600倍速90MB/s
バス(通信路)の転送モード
転送モード最高速度
Normal Speed (NS)12.5MB/s
High Speed (HS)25MB/s
Ultra High Speed (UHS)
UHS-ISDR1212.5MB/s
SDR2525MB/s
SDR50/DDR5050MB/s
SDR104104MB/s
UHS-IIUHS156/FD156156MB/s
HD312 *312MB/s
* 半二重通信